男性型脱毛症(AGA)による薄毛化・ハゲのメカニズム

男性型脱毛症(AGA)によって薄毛・ハゲになるメカニズムを解説

薄毛やハゲになると言っても、その原因はさまざまです。

 

また、原因によって自然に治るものもあれば、放置しておくとどんどんハゲが進行してしまうものもあります。

 

中でも男性型脱毛症(AGA)は、多くの男性が悩んでおり(一説によると3分の1)、また何らかの対策を取らなければ薄毛が進行してしまう厄介な脱毛症です。

 

今回は、男性型脱毛症(AGA)によって薄毛化が進んでいくメカニズムを解説します。ハゲ対策に育毛剤を使う場合、AGAの基本的な知識を持っておいた方が効果的に育毛環境を整えることができます。

 

男性型脱毛症(AGA)によって薄毛になるメカニズム:原因は男性ホルモン

 

簡単に説明すると、AGAによって薄毛になる原因は、男性ホルモンの働きにあります。

 

ジヒドロテストステロン(略してDHT)という男性ホルモンが毛根内の細胞に作用することで、髪の毛の成長を邪魔するように働くのが男性型脱毛症(AGA)の原因です。

 

そして、現代の毛髪科学によれば、AGAを発症しやすいタイプの人は、次の2つの要因のいずれか、または両方を持っているようです。

 

1. ジヒドロテストステロンを作りやすい
2. ジヒドロテストステロンに反応しやすい

 

AGAによる薄毛化の原因をもう少し詳しく解説:DHTが毛乳頭細胞に作用

男性ホルモン、テストステロンとジヒドロテストステロンの関係

 

男性ホルモンのジヒドロテストステロンがAGAによる薄毛化の原因ですが、このDHTはテストステロンとうい男性ホルモンが変化したものです。

 

テストステロンは筋肉や骨格の形成、積極性や性欲の向上など、特に男性において重要な働きを持っているホルモンです。

 

テストステロン自体には男性型脱毛症を起こす作用はないと言われています。

 

しかし、DHTに変化することで活性が上がり、男性型脱毛症(AGA)を引き起こすようになります。

 

テストステロンをDHTに変換する5αリダクターゼ

 

テストステロンをDHTに変換するのは、5αリダクターゼという酵素です。

 

5αリダクターゼにはI型とII型がありますが、特にII型の方が活性が強いようです。

 

II型5αリダクターゼは毛根の細胞内に存在し、テストステロンをDHTに変換します。

 

実は髪の毛がフサフサの人とAGAで薄毛になっている人の5αリダクターゼ量を比較した研究では、両者に大きな違いがないという結論が出ています。
従って、体質的に5αリダクターゼの活性が強い人が、AGAを発症しやすいのかもしれません。

 

DHTは毛乳頭細胞に作用

 

ヒトの髪の毛が成長するのは、毛根の底部にある毛乳頭細胞が、髪の毛の元になる毛母細胞に細胞分裂を促すシグナル(FGFやIGFなど)を送るからです。

 

毛母細胞が細胞分裂を行うことで髪の毛となり、毛穴から伸びていきます。

 

ところが、DHTが毛乳頭細胞に作用すると、毛乳頭細胞はなぜか脱毛を促すシグナル(TGF-β)を毛母細胞に送るようになってしまいます。

 

この状態が続くと、次第に細く短い髪の毛しか生えなくなってしまい、最終的にハゲと呼ばれる状態になってしまいます。

 

DHTは男性ホルモン受容体と結合することで毛乳頭細胞に作用する

 

実は、DHTは単独で薄毛化を引き起こすわけではありません。

 

男性ホルモン受容体というたんぱく質と結びつくことではじめて、毛乳頭細胞の核内に入り、作用することができます。

 

ホルモンは基本的に受容体たんぱく質と結びつくことで初めて何らかの働きを見せます。

 

男性型脱毛症に関する解説の多くで、DHTの重要性については語られていますが、男性ホルモン受容体についてはあまり言及されることがありません。

 

男性ホルモン受容体は必ずDHTを結合するわけではなく、その結合しやすさ(=感受性)は体質によって異なります。

 

そのため、男性ホルモン受容体の感受性はAGAの発症しやすさに大きく関わっています。

 

男性型脱毛症(AGA)で髪の毛が次第に薄くなっていく理由

髪の毛の成長はヘアサイクルに従う

 

ヒトの髪の毛はヘアサイクル(毛周期)という周期に従って伸びます。

 

ヘアサイクルは3段階あり、髪の毛が伸びる成長期(5〜7年)、成長が止まる退行期(数カ月)、髪の毛が抜ける休止期(数週間)の流れを繰り返します。

 

休止期に髪の毛が抜けると、再び成長期に戻り、同じ毛穴から髪の毛が再び生えてきます。

 

つまり、髪の毛が抜けるのは誰にでも起きている普通の現象なので、抜け毛自体を心配する必要はありません。健康な人であれば、1日に70本から100本は髪の毛が抜けていると言われています。

 

男性型脱毛症(AGA)になると成長期が短くなっていく

 

AGAになって薄毛化が進行していくのは、ヘアサイクルの成長期が短くなっていくからです。

 

生え始めた髪の毛は、細く短い状態ですが、5年から7年の成長期を経ることで、太く長い、コシのある髪の毛になっていきます。

 

ところが、AGAになると、この成長期が次第に短くなっていき、5年以下で退行期、休止期を迎えて抜け落ちてしまうようになります。

 

成長期が短いと十分に長く太く成長できないため、細く短い毛で成長が止まってしまいます。

 

1本や2本なら目立ちませんが、これが頭頂部や前頭部の広い範囲で起きると、その部分だけ薄くなったように見えますよね。これがAGAによる薄毛化の理由です。

 

さらに、AGAは進行性なので、放置しておくと、さらに短く細い毛しか生えないようになってしまいます。そして、最終的にはハゲと呼ばれる状態になってしまうわけです。

 

男性型脱毛症(AGA)を発症するかどうかは遺伝の要素が大きい

 

男性型脱毛症によって薄毛・ハゲになるメカニズムは以上のとおりです。

 

まとめると、男性ホルモンのテストステロンが5αリダクターゼによってジヒドロテスステロン(DHT)に変換され、このDHTが男性ホルモン受容体と結合して毛乳頭細胞に作用することでヘアサイクルの成長期が短縮していき、薄毛・ハゲと呼ばれる状態になっていきます。

 

薄毛やハゲの原因としてさまざまな生活習慣(睡眠不足、ストレス、飲酒、喫煙、食べ過ぎ・肥満など)が挙げられていますが、男性型脱毛症(AGA)について言えば、最も重要なのは遺伝です。

 

と言っても、男性型脱毛症になるという単一の遺伝子があるわけではなく、さまざまな遺伝子が関係した結果、AGAの発症しやすさが決まります。

 

具体的には、以下の要因が重要であると言われています。

 

テストステロン量
5αリダクターゼの活性
男性ホルモン受容体の感受性

 

例え、男性ホルモンであるテストステロンが体質的に多かったとしても、5αリダクターゼの活性が低く、生成されるDHTの量が少なかったり、男性ホルモン受容体の感受性が低ければ、AGAを発症する可能性は低そうです。

 

逆に、生成されるDHTの量が少なくても、男性ホルモン受容体の感受性が高ければAGAになる可能性はあります。